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2015年9月作品 ※この商品はメール便対象商品です(3点以内)
■作品説明
「はじめまして」のふるさとは、水色の記憶。
切ないほどに爽やかな風が吹く高松の街。
お城のそばから出ている小さな電車に乗る。
電車は家と家のあいだをすり抜けて、ことことと乗客を運ぶ。
生まれる前に引っ越したため、当時の記憶はない。
そこで暮らしていた父への記憶も。
ある駅を過ぎると、線路は大きく右にカーブを描き、
やがて昔話に出てくるようなおむすび山が私たちを出迎えた。
久しぶりの風景に、はしゃぐ二人の姉。
私は浅い眠りのような感覚に包まれたまま電車に揺られ、
水色のウエハースで作ったような古い駅舎を持つ滝宮に降り立った。
駅を出て、ふと空を見上げたら、胸の内側の何かが弾けた。
年の離れた二人の姉と、私。
不思議な女子旅は、この時にはもう始まっていた。