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■商品説明
作:岡田蕗子
演劇実験室天井桟敷を駆け抜け、“国境を越える演劇シリーズ"へと羽ばたいた、劇作家・岸田理生の軌跡を追う。直筆ノート、日記、手書き台本など貴重な一次資料にあたりながら、その劇世界の変遷を分析した本邦初の本格的研究書!
現代日本演劇において最も重要な劇作家の一人であるにもかかわらず、これまでまとまった研究書の存在しなかった岸田理生(1946~2003)の劇世界に迫った書。戯曲以外にも、詩や小説、翻訳、映画、舞台芸術などで多彩な才能を発揮した彼女の姿を追いながら、先行研究で取り上げられていない70年代や90年代、2000年代の作品にも光を当て、検討を行った。未刊行の初期戯曲『洪水伝説』を収録。
【目次】
序 章 劇作家「岸田理生」を知るために
第一節 先行研究紹介
第二節 岸田理生の歩みと、本書の分析対象に関して
第三節 70年代のカウンター・カルチャーとの関係
第一章 未刊行初期作品について─寺山理論の応用と独自の劇世界構築の試み
第一節 劇構造の応用─『夢に見られた男』(1977)と『洪水伝説』(1977)を中心に
第二節 身体論への関心─『解体新書』(1978)と学習ノート「言語」を中心に
第三節 文体の模索─ワークショップ戯曲『凧』(1979)と学習ノート「鏡花」を中心に
第二章 近代日本へのまなざし
第一節 「個」であることの肯定─二・二六事件を描く三作品、戯曲『臘月記』(1979)、映画脚本『悪徳の栄え』(1988)、テレビドラマ脚本『密愛─2・26に散った恋─』(1991)を巡って
第二節 『糸地獄』のクロノトポス─初演・オーストラリア公演を中心に
第三章 異なる「言葉」を求めて
第一節 俳優の身体性へのまなざし─『四重奏─カルテット』(1993)の演出に関して
第二節 『リア』(1997)における「母」を巡って
第三節『ディスディモーナ』(2000)の諸問題─戯曲と演出の対照研究を通じて
第四節 「分有」の概念─『ソラ ハヌル ランギット』(2001)の演出に関して
第五節 手話という視点─車座の実践と岸田理生の戯曲を通して
おわりに
主要参考文献・資料一覧/未刊行戯曲『洪水伝説』/岸田理生年譜/岸田理生が関わった演劇作品リスト
謝辞/初出一覧/索引