※宅配便(ポスター等特殊発送)対象外商品です。
2019年4月作品 ※この商品はメール便対象商品です(3点以内)
■商品説明
作・演出:四方田直樹
医療技術の進歩によって現在の倍ほども人類の寿命がのびたが、その後、悪性のウイルスによって新しく生まれてくる人類の平均寿命が現在の半分ほどになってしまった近未来。
生まれてくる者たちにしか影響をあらわさないそのウイルスによって、人類は長寿命の祖父母が短命な孫、曾孫……玄孫、続いて生まれてくる自分の子孫の死を看取る様な時代に入ることとなった。
いつの頃から、元の長命な世代を人々は「ファーストエイジ」、続く短命の世代を「セカンドエイジ」と呼ぶようになった。
別れがあり、悲しみがあり、絶望があった。
戦争になったりもした。
停滞があり、模索があり、諦めがあった。
刹那的な享楽が世界を覆ったこともあった。
そして、結局その現実を受け入れた。
ちょっとした発展があり、ちょっとした希望があり、ちょっとした幸せがあった。
それでも人は生きて行くんだ、と。
そして、さらに時代は進み、ファーストエイジたちが寿命を迎える頃となった。
長寿の彼らとて永遠の命があるわけでは無い。緩やかにファーストエイジたちの数は減り、最後の一人。1987年生まれ、243歳「鷹野梨花」を残すのみとなった。
【セカンドエイジのみが人類となるほんのすこし手前の時期、上演される物語はそんな頃のお話です】
14歳の鷹野萌(たかのきざし)は、鷹野家の本家の三男・鷹野真知の娘で中学三年生。ごく普通のセカンドエイジの少女だ。セカンドエイジの平均寿命は30歳程度。萌は人生の半ばに差しかかろうとしていた。
鷹野家の子供たちは小学校から中学校までの9年間のうちに一度だけ、夏休みを「おばあちゃん」の家で過ごすことが決まりになっている。萌たち鷹野家の「おばあちゃん」鷹野梨花(たかのりか:おばあちゃん)は当年とって243歳。1987年生まれの人類に残された最後の「ファーストエイジ」なのだ。
おばあちゃんの家には、萌の遠縁の親戚にあたる大多常(とば)という萌と同年代にしては幼児のような少年と、住み込みで家政婦のようなことをしている細島厘(さいとうりん)というやはり同年代の少女が暮らしていた。思いがけぬ共同生活にトラブルも続くがそのくらしにも慣れた頃、萌は近所の役場勤めの青年・緒秦弦軌(おばたげんき)の勧めもあって、村祭の踊りに参加することになる。弦軌に淡い想いを抱くようになる萌。しかし、弦軌の気持ちはリンにあることを萌は感じ取る。