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2008年9月~2012年8月作品 ※この商品はメール便対象商品です(3点以内)
■商品説明
作:北川大輔
▷『僕は日記を追いかける』
「いきどまりの部屋から」
大学1年の春に
大学の同じクラスのある友人が「極めて特殊な事情」で
目の前から消えてしまった。
あれから3年たった。
忘れない、って思ってたはずが、
たった3年で、しっかり忘れそうになっていた。
どこかの殺人事件の被害者の遺族の人が、
テレビのインタビューで
「忘れられませんよね」、と聞かれて
「忘れます。忘れそうになるから、必死なんです。」
と答えていた。
忘れてしまう。
彼の足跡を、どうにか残しておきたかった。
おせっかい甚だしいことは承知しつつ、
それでも、今、やろう、と思った。
たくさんの想像で
彼の最後を埋めてみる。
そんな話。
(上演当時のあらすじより)
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▷『夕焼けとベル』
「ピリオドの打ち方」
ノストラダムスを初めて知ったのはまだまだ鼻垂れだったころだった。
1999年に世界が終わる、と言われて、
絶対にそんなことはない、と言い返したことがある。
当たり前だが「何故終わらないのか」という問いには答えられるはずもなく、
とはいえ向こうも向こうで「何故終わるのか」には答えられなかった。
よしそれならあと何年かあるからその時になったらわかるな、という
ごく当たり前の解決を見たのだが、
僕はそのあと転校してしまって、まあ結局それまでになった。
当たり前に世界は2000年を迎えた。
ノストラダムスもハルマゲドンも、
コンピュータの誤作動による核兵器も、
世界を終わらせはしなかった。
夏季オリンピックの開催地は2016年まで決まった。
友人が30年ローンでマンションを買っていた。
「続いていくこと」は世界の当然のお約束となっているし、
本気で世界が終わると考えている人はわずかだ。
その反面、「終わること」もどこかで想定されている。
今度はマヤ文明が、2012年に世界は終わると予言しているらしい。
ウィキペディアにはご丁寧に「年問題」という項目まである。
それぞれの宗教が、それぞれの終末論を流布している。
誰が望んだ、というわけでもないのだろうが、
「世界の終わり」は、確実に人口に膾炙されている。
今回は、終わる世界の、続いていく話。
(上演当時のあらすじより)
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▷『そうか、君は先に行くのか』≪やぶからし編≫/≪はたたがみ編≫
前回が一年半ぶりの本公演だったのでよく言えばじっくりと、
悪く言えば随分のんべんだらりと準備をしてしまった。
とは言え前回が2月だから、実はもう半年過ぎていることになる。早いもんです。
僕も劇団を始めた年は必死になって一年に3本も4本もやった覚えがあるのだが、
それ以降は準備に時間がかかることを言い訳に、年2本、欲張って3本みたいなペースになっていて、
周りで毎月やります、とか、違う作品を同時に何箇所でもやっているようなところを見る度、
どうやってやりくりしているのかと不思議に、そして確実に羨ましく思ってみていたりした。
隣の庭はいつだって青く、もしあれがあったら、こういう人がいたら、と、まあそういう事ばっかりをぐるぐる考えて、
考えた末にしょうがねえ、ってなって不貞寝する、を繰り返していた。
今回はそんな隣の庭が羨ましく思う人の話をしようと思っている。
しかも先の言い訳を全部取っ払っての2バージョンである。しかもまったく別々の話をする。
だから主人公は二人。この二人がお互いを羨ましく思い、妬ましく思う様を描きたい。
(上演当時のあらすじより)