※宅配便(ポスター等特殊発送)対象外商品です。
2014年作品
僕は劇団を主宰し、脚本を書いている。
ある夜、人妻とセックスをした。
彼女は僕の家に来るようになった。
僕は彼女の気持ちに気づかないふりをした。
やがて彼女は去って行った。
半年後。
僕は旦那から呼び出しを食らった。
焦った。
ばれたのか。
どんな顔をして行けばいいのだろう。
しかし旦那は、別の男の名前を出してこう言った。
「妻がOという男と浮気をしているようだ。確かめてくれませんか」
胸の奥が痛んだ。
この痛みは……失恋?嫉妬?執着?
いつも遅い脚本が、更に書けなくなっていく。
弄ばれているのは誰なのか。
ひたすらに身勝手で、
自分だけには切実な、
世界の片隅の恋愛問答。