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2018年6月刊行 ※この商品はメール便対象商品です(2点以内)
■商品説明
「悲劇喜劇」7月号は「特集=井上ひさしの狂気と天才」。
●今の演劇界で「ヒューマニスト作家」と受容される傾向がある井上ひさし。
たしかに井上ひさしはヒューマニスティックな戯曲を多く発表しましたが、井上の魅力はそれだけではなく、「ラジカルでアナーキスティックな笑い」「日本の芸能・歴史・文化への深い理解」「作品の根底にある徹底した絶望」など実にさまざまです。
今特集は、井上ひさしを良く知る作家、演出家、俳優、評論家、ジャーナリスト、編集者、家族の寄稿・座談から、井上ひさしの知られざる素顔と一面にせまり、作家の狂気と天才を再発見する企画です。
●掲載戯曲は松原俊太郎『山山』と河合祥一郎『ウィルを待ちながら』。
『山山』は異才・松原俊太郎による現代日本のフォークロア。かつては美しかった山と汚染物質の山の狭間で暮らす家族たちの新たな抵抗を描く、著者三本目の長篇戯曲。地点×KAATが6/6より上演。
『ウィルを待ちながら』はシェイクスピア研究者・河合祥一郎による書き下ろし新作。「ウィル」を待ち続けるふたりの役者が口にするのは、シェイクスピア全40作品を網羅する名台詞の数々。シェイクスピア演劇にベケット風に迫る。こまばアゴラ劇場にて7/4より上演。
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特集=井上ひさしの狂気と天才
悲劇喜劇二〇一八年七月号
藝術家の狂気と天才/矢野誠一
芸能と文学の統一という偉業/別役 実
人の残虐さを書き続けた作家/野田秀樹
今も井上ひさしと共に……/井上麻矢
戯曲『日の裏姫物語』の語りとその内容について/松田正隆
戯曲から聞こえる肉声/長田育恵
遅筆中の井上ひさし/井上ユリ
「笑い」の復権――井上ひさし『ムサシ』を読み直す/嶋田直哉
「た・な・が・こ・カ・れ・は・バ・で・い・の・せ・つ……」から40年/水谷八也
『ボローニャ紀行』は井上ひさしの「聖地巡礼記」/高野秀行
はじめての井上ひさし/西尾佳織
他人の窺い知れぬ領域・作家の魂の孤独と不可解な行動/木村 隆
消えたしゃぼん玉――井上ひさしの幻の大劇団構想について/山本健一
●演出家、俳優、編集者が語る井上ひさし
井上作品を語る二人の演出家――『夢の裂け目』、『父と暮せば』より/栗山民也×鵜山 仁(聞き手=内田洋一)
井上戯曲を演じるつらさと楽しさ――『父と暮せば』より/山崎 一×伊勢佳世
歴代の担当編集者による座談会――『the座』×『新劇』×『すばる』/小田豊二×和気 元×高橋 至
●世界の演劇現場から
なぜ日本の演劇人は海外をめざすのか/田中伸子
ボーダーを越える――今シーズンのブロードウェイ/萩尾瞳
●第五回ハヤカワ『悲劇喜劇』賞贈賞式レポート
■エッセイ
わたしの衣・食・遊・住/那須佐代子
OFF-OFF悲劇喜劇/佐藤 誓
●連載
愛しき面倒な演劇人 名プロデューサーが明かす知られざる素顔/中根公夫
シーン・チェンジズ 長谷部浩の演劇夜話/長谷部 浩
●戯曲『山山』に寄せて
松原俊太郎『山山』を読む/宮沢章夫
日本現代演劇の変/三浦基
■戯曲
『山山』/松原俊太郎
『ウィルを待ちながら』/河合祥一郎
演劇時評/内田洋一・谷岡健彦(第二回)
1984
百年の秘密
赤道の下のマクベス
ヘッダ・ガブラー
神と人とのあいだ
第一部『審判』
第二部『夏・南方のローマンス』
江戸は燃えているか TOUCH AND GO
最後の炎
砂塵のニケ
『真実』〜嘘×嘘=真実?〜
焔〜ほむら〜
埋没
岸 リトラル
肝っ玉おっ母と子供たち
民衆の敵
寿歌
夢と錯乱
メリー・ポピンズ
切られの与三
きみはいくさに征ったけれど
Ten Commandments
ハムレット
水はみどろの宮
嗚呼、萬朝報!
時評
第四十三回菊田一夫演劇賞、新刊案内など演劇ニュース