1995年今はなき新宿・シアタートップスにて上演。池津祥子、阿部サダヲ、伊勢志摩ら総勢18名で51役を演じています。
【本文より】
アエギ 面白い? これ面白い? 本当に面白いの?
ナミエ もう最高。オハギ食べさせたら右に出るものいないわ。
ナハヒコ ちょうどいーい! この感じ、ちょうどいーい!
パパって、なんてちょうどいいのお?
・・・はあ。はあ。・・・もういい。ああ、おもしろカルカル。
ナミエ 何しろこんな調子だから、やっぱりあたしたち、
パパから離れられないよ。(泣く)つらいよ、つらいよー。
ナハヒコ ナハヒコと姉さん、ずっと二人だけで生きてきたの。
そんな、いたいけな二人に、パパちょうどよいのに、
もう、ナハヒコため息のトランペット
鳴りやまない鳴りやまない。
アエギ ・・・私が記憶を取り戻しさえしなかったら
何もかもうまく行ってたのかもしれないねえ。
皮肉なもんだ。なくしたものを見つけたとたん、全ての計算が合わなくなった。