著:トム・ストッパード
訳:小田島 恒志
世界が熱狂した名作戯曲
難解にして美しく切ない
トム・ストッパードの傑作がついに刊行!
著名な詩人バイロンが長逗留している、19世紀の英国貴族の屋敷。そこには、魅力的な女主人、天才的頭脳の令嬢、皮肉な家庭教師、三流詩人と浮気な妻、大佐、執事と庭番などあらゆる人間の織り成すカオスな関係が渦巻く――。
ある時、屋敷の庭園の設計図に、トマシナは何の気なしに書き込みをしてしまう。その行動が、約200年の時を経た世界に大きな波紋を広げることになる。現代のバイロン研究者らはその謎を解き明かせるのか。はたして決闘で死んだのは誰? 隠者の庵で終生過ごしたのは? トマシナの書き残した理論の意味は?
同じ屋敷を舞台に、二つの時代の人々のドラマが交錯し、ある思いもかけない「真実」を浮かび上がらせる。解説/谷岡健彦